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平成17年9月17日 -No.41/2-
先週の衆議院選挙は自民党の圧勝でした。分析すると後出しジャンケンみたいで心苦しいですが、3つほど指摘したいと思います。
郵政民営化を焦点にした選挙戦術は目新しく、また、頼もしく感じました。今までの八方美人型の公約はあまりにもごもっともで、魅力が感じられませんでした。一つのことでも徹底的にやり遂げる姿勢が評価されたのではないでしょうか。
造反に対しては容赦なく叩く姿勢も気持ち良いものです。いままでのナアナア気分で反対していた議員にとっては寝耳に水だったでしょう。造反するなら覚悟が必要だという雰囲気が政治を行う上での緊張感を増します。
一つの論点で選挙をするのも良いですが、それだと、大問題が発生するたびに選挙をしなければなりません。今回のスタイルは、今回限りの戦術だったのでしょうか。それとも、重要案件の決定について国民投票を視野に入れた改革に発展するのでしょうか。
いずれにせよ、国民の政治に対する関心を一時的にせよ、回復した功績は大きい。マスコミが主導し、国民は受身だった従来の選挙に対して、今回のようにネット上でも活発な討論が行われたことも頼もしく感じられます。
平成17年9月23日 -No.42/2-
とある私立高校の文化祭に行ってきました。山を切り開いた土地（もともと採石場?）に別世界のように広がるキャンパス。ゆったりした間取りが学校というより多目的ホールのような印象を与えます。高校生たちはエネルギーいっぱいで、それぞれに趣向を凝らした出し物に、ぎこちなさが味を添えます。街中を歩いていると服装のちょっとした乱れや無頼な行為が気になりますが、高校の中では不思議と気になりません。みんなおんなじ乱れ方をしているからでしょうか。それとも生き生きとした表情をしているからでしょうか。
仕事が立て込んできたので来週はお休みします。次回は10月8日の予定です。
平成17年10月8日 -No.43/2-
前に書いた内容ですが、結婚式のスピーチに応用してみました。
この辺で、お決まりの格言を一つ。人は1年で出来ることを過大評価する。Xさんに限らず、私もそうですが、計画や目論見より必ず遅れてしまう。ですから、1年たったときにこの程度しか進まなかったと反省する。こうして毎年過ぎていくのですが、会場の皆さまはいかがですか。でも、ちょっと思い出してみてください。10年前、今の自分が予想できていましたでしょうか。10年間にやってきたことをリストアップしてみると、意外にいろいろなことを仕上げております。社会的なものの見方も成熟している。まあ、お年寄りの方は10年前とはあまり変わっていないかもしれませんが。不安や心配事の切り回しだって上手になっている。人から頼られる存在になっている。というわけで、人は1年で出来ることを過大評価するが、10年で出来ることは過小評価する。
特に、2人で始めるこれからの10年はおそらく今までの10年の2倍以上、3倍くらいは、たくさんの、深みを増した経験ができると思います。その上、家族が増えて、3人になったら、そうですね、4倍くらい、経験が積み上がると思います。
お二人の末長い幸せをお祈りします。
平成17年10月15日 -No.44/2-
1918年に世界で大流行したインフルエンザ、スペイン風邪は2000万人の死者を出しました。折りしも、第一次世界大戦中。集まった兵士が風邪でダウンし、アメリカ合衆国の参戦が遅れたそうです。この風邪の犠牲者がシベリアで土葬されており、その人からウイルス遺伝子が分離されて、遺伝情報を元にスペイン風邪ウイルスが再構築されました。いずれ、行われるだろうと予想していましたが、やはり、話題になっています。研究を行ったのはアメリカ合衆国のCDCで、一連のインフルエンザの脅威からワクチン開発のためとしていますが、当然、バイオテロにも使えます。オーム真理教教団は化学兵器であるサリンを使い、経済力のあるテロ組織なら技術を購入して禁止兵器も自己調達できることを証明して見せました。遺伝情報からインフルエンザウイルスを再構築するには高度なバイオテクノロジーができる施設と熟練した技術者・研究者、何よりも社会にその施設を維持する基盤技術（水、エネルギー、資材供給、
情報網）が備わっていることが必要です。
伝染病といえば発展途上国のもので、海外旅行で気をつけるものでした。最も恐ろしい伝染病は先進国で発生する時代になったかもしれません。
平成17年10月22日 -No.45/2-
世間ではときどき距離を時間で測ります。代表的な例は「光年」でしょう。光の速度が最速で一定であることから、広大な宇宙を表現する時に、距離が光の届く時間に換算されます。つまり一万光年ということは、一万年かかって光が届く距離にその天体があるということです。
現代の地図は距離を距離として測定して二次元空間として表現されますが、昔は実際に旅行してかかった時間が根拠となったでしょう。甲町までは何日、乙山を越えるのに何日、といった具合。現在の地図に比べてデフォルメされるのは当然です。歩くか、馬か、船かによる違い、ルートによる違いは感覚的に調整され、調整センスの高い地図が重宝されたのではないでしょうか。逆に、時間的距離が地理的距離としてイメージされることもあります。遠い祖先は遠いところに住む。古い神ほど、偉大で、かつ遠くに住む。そこに至るまでのイメージの道のりが長いためです。
現代では距離は時間で測り、かつ、お金でも測るようです。円高になって海外は非常に近くなりました。自家用車を持つと、時間的な距離感は、短縮され、かつ、金銭的な距離感も短縮傾向にあるようです。近頃は原油価格、ガソリン代も高騰していますので、世界も少し広くなるでしょうか。
平成17年10月29日 -No.46/2-
今回は年代別に世界史をまとめています。内容が教科書的になってしまうので好きになれません。次の百家万説へのつながりもしっくりきません。予定では500年の長期間でくくりますから、取り上げる事件によって考え方(価値観)が見えてくるでしょう。後10回ほどで今回は終わりそうです。
そろそろ次の3回目のスタイルも視野に入れています。改善点はなんといっても文章の量。自分では長いメルマガはあまり読まないのですが、自分のメルマガは結構長い。もう少し短く、ポイントを絞れればいいなと思います。それと、歴史時代になると科学的なコメントが少なくなってしまう点。話題の選び方、組合わせ方に工夫が必要です。現在奮闘中。ネタはたくさんあるのですが。
平成17年11月5日 -No.47/2-
BSE問題が政治決着になりました。BSEという科学者の常識すら超えた病気が社会に与えたインパクトは非常に大きなものとなりました。
最初は食用とする牛が消えてしまうのではないかと思っていましたが、さすがに食文化は根強いものがあります。いまや、日本やイギリスでは脳脊髄は産業廃棄物として処分され、市場に出ることはありません。ならば、本場イギリスで禁断の料理、牛の脳のソテーを食べるツアーでも開催したら大金を払っても参加する人がいるのではないか、などと不謹慎にも空想していました。
タンパク質の異常構造が原因となるこの病気は、伝達性因子異常プリオンと無関係に発症する可能性があります。自然発生する頻度は非常に低いでしょう。伝達性因子異常プリオンを社会に広めたのが牛由来の廃棄物を再利用した肉骨粉をつくるレンダリング技術の効率化です。BSE問題は、一方で、今まで資源だった肉骨粉（利益を生む）を産業廃棄物（処分に費用がかかる）にしてしまいました。それならば、レンダリング技術を改善したら、肉骨粉が利用されることになるでしょうか。リサイクル社会は思わぬ問題を孕みます。
平成17年11月12日 -No.48/2-
土曜日の昼下がり、駅ビル地下のラーメン屋で、息子と2人で注文したラーメンを食べていると、テーブルの向かいの席には3歳くらいの女の子を連れた若い夫婦が座りました。サービスのランチメニューを頼むと、お父さんがビールを一杯飲んで良いかと奥さんに聞きます。今日はお祝いでもあるし、と奥さんが許可しました。ラーメンがくると、子供用の食器ももらい、奥さんが自分のラーメンと、トッピングのキノコとわかめを入れ、ふーふーと冷まします。お父さんは、さらに、ラーメンを短く切ります。女の子は自分のランチができると、ぎこちない手でつるつるすべるフクロタケをスプーンで掬い取り、口に運びました。ビールを片手にじっと見ていたお父さんが｢熱いかもよ。気をつけてね｣と声をかけます。お母さんも｢まだ熱いかも｣と追い討ちをかけます。４人の視線の下、女の子はスプーンのキノコを一気に口に入れました。と、同時に「ウエー」。｢ほら、ごらんなさい｣とお母さん。｢まだ熱かったな｣とお父さん。思わず、クスッと声を殺して反応してしまいました。お母さんがちらりとこちらを見て、しょうがない子ですよね、と笑みを送ってきました。(本当に熱かったのかな？) 世話を焼くお母さんをよそに、女の子は次は何を食べようか、スプーンで深皿を探っていました。
平成17年11月19日 -No.49/2-
中国でも鶏インフルエンザで死者が出たことを中国衛生省が発表しました。香港では、初めての死者が出た1997年の流行以来、鶏インフルエンザの流行は納まりません。様々な調査結果からインフルエンザウイルスの供給源としてお隣の中国大陸が有力視されています。中国当局は、調査能力がないのか、重要視していないのか、調査結果があるがプライドが許さないのか、インフルエンザウイルス (インフルエンザ以外の様々な重要な感染症についても) の感染の状況について情報を公開しませんでした。今回、正式に発表されたのは、調査能力が整ってきたのか、国際的にもインフルエンザ対策が課題として取り上げられて重要視するようになったのか、東南アジアの惨状を踏まえて、この辺で調査結果を公開しても面目が保たれると判断したのか、いずれにしても国際的には歓迎すべきことです。中国は高病原性インフルエンザが発生しやすいすべての条件を備えています。神舟などはちょっと脇において、国内の衛生水準を改善する感染症対策を優先すべきでしょう。全国民の生活レベルを確実にアップさせるはずです。
平成17年11月26日 -No.50/2-
先週からいろいろと仕事が入って忙しい1週間でした。何とか本文を仕上げましたが、序文のアイデアを固めている暇がありませんでした。（と書きつつ、そのことをネタにしている）
上司は部下に向かって「忙しい」を口癖にしていることがよくあります。うちもそうです。でも本当に必要なことをやっているようには見えません。よく観察していると、職階にふさわしい(難しい)大切な事を避けているように見えます。忙しい状態を作り出しているのはやたらに報告書を要求してその報告書を読むことや、部下に任せられないからと自分でやっていたりする。こういうのは忙しい状態を作り出すことで怠け続けるという怠慢ではないか。仕事を頼んでも忙しいからと断られる。たくさん仕事をする偉い人がいますが、そんな人に物事を頼むとあっという間に返ってきます。「忙しい」が口癖の人が一番の怠け者。私も忙しいと印象付けているでしょうか。実は、私も怠け者なのです。
連絡を2つ。
第２回 まぐまぐBooksアワード』にエントリーしました。お暇な方は除いてみてください。今度もこのメルマガがどこにあるか探すのが大変になるのではないでしょうか。
仕事が溜まってしまったので次回はお休みします。次の配信は12月10日になります。
